エンプラとは?工業用プラスチックの性質と使用用途から成型方法を紹介

エンプラ

家具や家電、自動車、玩具など、身の回りには多くのプラスチック製品があり、またいろいろなところで数多くのプラスチック部品が使われています。
プラスチックは軽く、熱を加えると思い通りの形に変えることができるだけでなく、耐水性や耐久性に優れ錆びる心配もなく、低価格で大量生産も可能です。
しかし、金属と比べて熱に弱く強度が低くて、表面も軟らかく、化学薬品や溶剤に弱いという欠点があります。

その欠点を補い、過酷な環境下でも利用可能としたプラスチックが「エンプラ」です。

エンプラとは

エンプラとは、エンジニアリング・プラスチックのことで、通常のプラスチックよりも耐熱性が高く、一般的に100℃以上の環境下でも一定の強度を保つことができる合成樹脂を総称してこう呼びます。

高性能な合成樹脂(プラスチック)

エンプラは耐熱性に優れているだけでなく、機械的強度と耐摩耗性にも優れているため、高性能で耐久性と安全性が求められる、工業製品の基幹部品として使用されています。
金属製の部品に比べて軽量であり、またコストも安くすみます。

プラスチックは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2つに分類されますが、熱可塑性樹脂は固まっても再び熱を加えることで軟化します。一方の、熱硬化性樹脂は硬化してしまうと加熱しても柔らかくならないという性質があり、エンプラは熱可塑性樹脂に含まれます。

この2つの違いをわかりやすくするために、熱可塑性樹脂はチョコレートのようで、熱硬化性樹脂はクッキーにようだと表現されます。チョコレートは何度も溶かすことができますが、クッキーは一度焼いてしまうと元に戻すことはできません。かなりイメージしやすくなったのではないでしょうか。

エンプラの歴史

エンプラの歴史は、1930年代の後半にポリアミドという物質が生産されたことから始まります。そこから1950年代には、ポリアセタールホモポリマーが開発されるようなり、ポリカーボネートやポリアセタールコポリマーというように、次々と新しい物質が開発されていきます。

1947年には、エンプラよりも高温に耐えることができるスーパーエンプラであるポリテトラフルオロエチレンが世に出てきます。それ以降は、新しいエンプラの開発は加速していき、それぞれの特徴をこの記事では紹介しきれないほどの種類のエンプラが現代には存在しています。

エンプラの分子構造

エンプラが通常のプラスチックに比べて高機能であるのは、独特な分子構造に秘密があります。エンプラは高分子鎖と言って、長い鎖のような形をした分子が集まることによって出来ています。この長い鎖がキレイに配列している状態を結晶性と言い、鎖が複雑に絡まり合っている状態を非結晶性と言います。結晶性だけのエンプラや、非結晶性だけのエンプラというものはなく、どちらの性質も持っています。そして、どちらの性質も持っていることによって、強い結合力が産まれ、高温にも耐えられる強度のあるプラスチックになっているというわけです。

エンプラの種類と性質

エンプラの歴史でも紹介しましたが、エンプラには非常に多くの種類が存在しています。ここでは、いくつかの代表的なプラスチックの性質と用途を簡潔に表にまとめていきますので、エンプラの区別に役立ててください。

汎用エンプラの性質と用途

まずは汎用エンプラと呼ばれるものから紹介していきましょう。これから紹介する5大汎用エンプラは主に、自動車や電機・電子機器に使用されている部品の交換の一部です。なんと、現在使われているエンプラうち、9割ほどがこの5大汎用インプラだと言われています。

名称 特徴 用途
ポリアミド(PA) 衝撃や摩擦に強い
薬品やガスに耐性あり
衣類や釣り糸
自動車部品など
ポリカーボネート(PC) 透明度が高い
耐熱性と強度が高い
紫外線に強い
洗濯バサミなど紫外線を受けるもの
ヘッドランプなど透明なもの
スマホケースなど
ポリアセタール(POM) 摩耗に強い
自己潤滑生あり
歯車など摩擦が多いもの
カバーなど耐久性のあるもの
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE) 絶縁性に優れる
酸・アルカリに強い
電機機器
自動車のドアハンドルなど外装
ポリブチレンテレフタレート(PBT) 熱耐性が高い
絶縁性が高い
モータ部品
電機部品や電子部品

特殊エンプラの性質と用途

特殊エンプラとは、別名スーパーエンプラとも呼ばれるプラスチックで、エンプラよりも更に熱に強いものを指します。代表的なものを表にまとめるので、それぞれの違いを見比べてみましょう。

名称 特徴 用途
ポリフェニレンスルフィド 耐熱・難燃性
寸法安定性
機械特性
コネクタ・電子部品
自動車部品
ポリスルホン 加水分解しにくい
薬品に強く衛生的
医療器具など
食器や調理器具など
ポリエーテルスルホン 機械的な性質を持つ
燃えにくく薬品に強い
電子部品や自動車
医療や食品、塗料
幅広い分野で使われる
ポリアリレート 熱に強く燃えにくい
衝撃と薬品に強い
透明性がある
スイッチやボリューム
照明など
自動車のメーター
ポリアミドイミド 高温でも優れた機械特性
摩擦に強く難燃性あり
線膨張率が小さい
ベアリング
自動車や電子部品
熱可塑性ポリイミド 耐熱性と電機絶縁性
熱膨張係数が低い
電子回路の絶縁材料
ポリエーテルイミド 熱耐性と電気絶縁性
熱膨張係数が低い
電子回路の絶縁
半導体の保護膜
ポリエーテルエーテルケトン 熱に強く老朽しにくい
放射線に強い
自動車のギア
ワッシャー
液晶ポリマー 電気特性がある
振動を良く吸収する
自己消化性がある
精密電子機器
スピーカー振動板

その他のエンプラの性質と用途

汎用エンプラと特殊エンプラの他に、未分類のエンプラが存在します。ここでは2種類の未分類のエンプラを紹介します。

まず、1つ目は超高分子量ポリエチレンです。熱可塑性樹脂の中で衝撃に一番強いことが特徴です。また磨耗や薬品にも強いことも長所にあげられます。食品安全性が高く、吸水性低いことから水に関係する部品にも向いています。主な使い途としては、スポーツやレジャー関連の製品や、食品や薬品などの放送・容器です。

2つ目に紹介するのが、熱可塑性ポリエステルエラストマーです。ゴムのような性質を持っていて、熱にを加えると柔らかくなるので成形が簡単にできます。また、消音性や衝撃に強いなどの特徴も持ち合わせています。低騒音の歯車や工具のグリップなどに使われていますが、その他にも幅広い範囲に活用が可能です。

エンプラの成形方法

エンプラは熱を加えることによって軟化するという特徴を持っているので、加熱して成形することになります。しかし、エンプラは100℃以上の高温に耐えることができるという特徴があることから、形成の難易度は高くなります。

汎用エンプラの成形方法

汎用エンプラの成形にはいくつか種類がありますが、5大汎用エンプラ全てに使える方法が射出成形です。この方法は金型を作って、その中にエンプラを流して固めるという方法です。鯛焼きを作る原理に近いと考えるとわかりやすいでしょう。

また、押出成形もメジャーな方法です。ダイと呼ばれる出口からいっていの形をしたエンプラを押し出して、適当な長さでカットします。少しイメージはずれますが、トコロテンのようにエンプラを押し出して形を作ります。シート上のものや、ヒモのようなものなどを形成するのに向いています。

次に紹介するのは、ブロー成形ですが、原理は押出成形に似ています。大きく異なるの、ブロー成形で作るのは、中が空洞になっているホースのようなものだということです。その後、中が空洞のホースのようなエンプラは、金型に入れられて空気で脹らませて金型にぴったりとへばり付かせて形を整えます。

特殊エンプラの成形方法

特殊エンプラの形成方法も基本的には、汎用エンプラと変わりません。一部のスーパーエンプラには特殊な整形方法が用いれますが、ここでは一覧表にまとめて紹介します。

特殊エンプラの名称 成形方法
ポリフェニレンスルフィド 射出形成
圧縮形成
ポリスルホン 射出形成
押出形成
プロー形成
ポリエーテルスルホン 射出形成
押出形成
ポリアリレート 射出形成
押出形成
ブロー形成
ポリアミドイミド 射出形成や押出形成
切削加工材として入手もできる
熱可塑性ポリイミド 射出形成
押出形成
ポリエーテルイミド 射出形成
押出形成
ブロー形成
ポリエーテルエーテルケトン 射出形成
押出形成
回転形成
粉体塗装
液晶ポリマー 射出形成
条件によっては薄物形成

エンプラ加工の注意点

株式会社オザキでは、主に射出成形機(インジェクションマシナリー) による射出成形でコネクター樹脂成形製造を熟練した技術と高性能な設備にて行います。
一貫した生産フローでの短期間納品には安定した品質と作業効率の良さが重要ですが、製造と同じくらいメンテナンスにも注意が必要であり気を使わなければなりません。

注意する理由として、樹脂成形製造の射出成形機で金型に樹脂材を流してインジェクションする方法では、どうしてもインジェクション時にガスが発生して金型に汚れが付着してしまったり、汚れの付着の他にエアーベントの詰まりや金型の劣化が生じることもあるからです。

これらを解決するには、定期的なメンテナンスが必要です。

定期的なメンテナンスは金型を分解し、洗浄して欠けやクラックの有無の点検と交換をする必要があります。

これには熟練の技術が問われることから、株式会社オザキではベテランスタッフがメンテナンス作業に対応して、より良い製品づくりのお手伝いをしています。

このひと手間をおろそかにしない事が、製品の安定供給に直結します。

用途にあった材質選び

お客様が求めることに対し、加工技術や新素材の提案、長年のノウハウと最新の技術で対応するよう心掛けます。汎用から先端技術を支えるプラスチック材料を駆使し課題解決するためには、日頃の研究が必要です。

ケースバイケースの依頼に対し、まずは可能な限りの技量で接することが大切と考えており「依頼してよかった。」と言ってもらえるように心がけています。

設備の検討

例えば、3合のお米をよりおいしく炊き上げるには、3合炊き炊飯器よりも5合炊きの炊飯器の方が適していると言われるように、成形機を変更することによってこれまでの悩みがウソのように解決することもあります。

株式会社オザキでは、設備に関してのお問い合わせをいただいた際の資料から、どの型式の射出成形機で製造するか検討し、最適な設備での成形をご提案しています。

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